派遣登録の契約解除について徹底調査

このエントリーをはてなブックマークに追加

派遣登録の契約解除とは

派遣の契約解除とは、その言葉の通り当初の契約期間を待たずに契約を解除することです。一方的な理由で解除されることもあれば、双方合意のうえで契約を解除することもあります。しかし、会社に勤めるうえでこの「契約」とは非常に重要なもので、中途半端な理由で解除を求めることは社会人としての信用を失うことにもなります。最悪の場合には裁判などになり、ペナルティを受ける可能性もあります。
また、派遣先企業の理由で契約を解除される場合には、派遣社員の生活に大きな支障が及ばないように、新たな就業機会を確保すること、手当等の支給に係る費用、残りの契約期間に相当する補償を企業側が負担する、といったことが派遣先企業に課されることになっています。
それほど、契約の「契約」は重い意味を持っており、「やむを得ない事情」が認められない限り契約解除は難しいと考えられます。

派遣登録の契約解除で多い理由

病気などによる長期入院

病気やケガなどで働くことが出来なくなった場合は「やむを得ない事情」として認められることがほとんどです。この場合、診断書の提出が求められることが多いでしょう。

妊娠・出産

派遣会社によっては産休・育休の制度を設けているところも最近では多くなっていますが、派遣先企業にとっては人繰りが厳しくなることにかわりありません。ちょうど契約更新の期間があればそのタイミングで契約解除とすることが出来ますが、タイミングによっては期間中の契約解除を求められることも有るでしょう。このとき、派遣会社の登録自体は解除してもらわずに残しておけば、産後復帰したいと思ったときにすぐに相談に乗ってもらえます。

引っ越し

ご主人の転勤に伴う転居などで多い理由です。物理的に通勤が不可能となる場合、契約を解除するほかありません。もし事前に転勤の予定が分かっているのであればなるべく早く派遣会社を通して伝えることでトラブルを回避できます。

精神的な病気になり働けない

うつや不眠などにより就業が難しいとされる場合です。この場合も外見からは判断しづらく、医師の診断書の提出が求められることになります。

事前に聞いていたことと違う

これは派遣社員側、派遣先企業側の双方にあり得る理由で、派遣契約を交わすまでに、あらかじめ仕事内容や勤務時間等の条件、派遣社員としてのスキルや実績を双方が確認しています。実際に働いてみて、その内容やスキル、人柄に大きく違う点があればそれを理由に解除を求める可能性があります。ただし、この理由の場合は再度派遣会社を間にいれて話し合いが行われ、契約期間終了まで勤務を続けるよう求められることがほとんどです。

会社の経営が厳しい

会社側の理由として経営をしていくうえで人員整理が必要となった、というものもあります。会社としては直接雇っている正社員やパートよりも、派遣社員のほうが解雇しやすいという実態があり、「やむを得ない事情」として認められることがほとんどです。

契約期間中に契約解除する場合の流れ

派遣先企業の都合により、契約期間中に契約を解除する場合の流れは以下のようなものが基本となります。

派遣先企業が派遣会社に契約解除したい旨を申し入れる

派遣会社が合意する

契約解除日の30日前までに派遣社員にあてて「契約解除通知書」を送る(内容証明郵便が多いが、普通郵便、電子メール、ファックス、面前などさまざまな方法がある)

このとき、派遣先企業は次の就業先を紹介する、休業手当を支払うなどの対応を求められます。また、30日前までに予告を行えない場合には30日分の賃金相当額を損害賠償として支払わなければならないとされています。また、残存期間が30日を超える場合、次の仕事に就くまでの期間、もしくは、すぐに次の仕事が見つからない場合には残りの契約期間に相当する額を請求することも可能です。

契約前の解除は口頭でOK

契約前であっても、一般的に口頭で了承していればそれが成立するとされています。一般的にそれを覆すことは社会人としてどうかという点では問題となり得ますが、だからといって損害賠償を求められるということはありませんので安心してください。ただし、口頭での約束を覆すことは、この場合だけでなく実際に努めてからも避けるべきことであり、口約束を簡単に考えず、時間をおいて返事をするなどの対応を心がけましょう。

派遣契約期間内に中途解除をするのに必要な理由

派遣先企業が派遣社員との契約を期間の途中で解除するために必要な事由として
1・事業の倒産
2・信用不安
3・予告期間をおいて一方的に解除すること
などがあります。派遣社員側、派遣先企業、どちらからの解除であろうと「やむをえない事由」が認められることが契約解除の絶対条件であり、その内容も簡単なものでは認められません。
また中途解除の手続きについても、派遣元を通して話を進めることや、予告期間をとることなどでトラブルを回避した解除手続きが進められます。また、急に無断欠勤をする、明日から来ません、といった辞め方をするのはどのような事情であれ、大きなトラブルにつながりかねないので絶対にNGです。

中途解除で損害賠償を派遣会社から求められる場合はほとんどない

結論から言うと、多くはないが0でもない、というものです。というのも、派遣社員の都合での中途解除では、派遣先企業にとって以下のようなデメリットや負担があり、結局諦めることのほうが多いからです。

派遣先企業にとって損害賠償を求めるデメリット

■損害賠償の支払いに応じない場合裁判をすることになる
■派遣の契約解除による損失金額を具体的に証明しなければならない
■裁判の費用がかかる
■時間がかかる
■実際に受け取る賠償額がそれほど大きくないことが多い
■派遣会社との関係も悪化する

こういったことから、「損害賠償を求められるから」と引き止められることはあっても、実際に裁判をして損害賠償を支払うことになるのはごくまれだといえます。また、実際に裁判となっても、派遣先企業と派遣会社での裁判となることがほとんどで、その損害賠償請求を派遣社員個人に対して求められることもほとんどありません。
ただし、気を付けておきたいのが、派遣会社と派遣先企業であらかじめ違約金などが定められている場合には、企業の手間はぐっと少なくなるため、請求されることがあり得ます。中途解除の可能性がある場合、派遣会社にしっかりと相談してどのくらいの金銭負担の可能性があるかを確認すると良いでしょう。

一方、企業側の都合で契約解除をされる場合には、派遣先企業が派遣社員に対して十分な手当て等を用意する内容が定められています。それでも納得できない場合は裁判をおこし、さらなる損害賠償を求めることも有り得ますが、こちらも同様に費用や手間が大きく現実的ではないと判断するケースが多いのが実態です。

派遣契約内の中途解除した場合の休業手当

派遣先企業の理由による契約解除の場合、遅くとも30日前までに予告をすること、新たな就業先をあっせんすること、残余期間に応じて休業手当を支給する、その費用は派遣先企業が負担する、といったことが定められています。つまり、企業都合による契約解除の場合、余裕を持った通知がない場合、次の仕事の紹介がない場合には原則として残りの日数分の手当てがもらえると思ってよいでしょう。ただし、具体的な金額等は状況や企業によって異なるのでその手当てを当てにしすぎないようにしてください。
またこの手当ての支給が企業に課せられるのはあくまで「企業側の都合」の場合です。自己都合による契約解除や、勤務態度や素行による契約解除の場合も派遣社員側に原因があるとされ、手当てが出ないことがありますので注意しましょう。

契約期間満了後の契約解除で問題になるケース

契約期間が終わって契約を解除するのであれば基本的には問題はありません。しかし場合によっては問題が起こるケースもあるので、一例をご紹介します。

突然の契約解除(自己都合

契約期間の途中で契約解除となる場合には、その理由は会社都合となり、また休業手当など多くの決まりに守られていますが、契約期間をすぎるとそれは単純に「更新しない」だけになってしまいます。そうなると、どれだけ急に言われたとしても、会社都合ではなく契約期間満了によるものとされ、会社には何の落ち度もないことになるので注意が必要です。(手当の有無、次の仕事のあっせんがない、働けないので給料がない、休業手当は支給されない、など)

正社員登用に対するトラブル

お仕事によっては、一定期間派遣社員としての実績を積んだのちに正社員として採用する、という内容で契約をしている場合があります。具体的に契約には記載がなくとも、口頭でそのように聞いている場合もあるでしょう。しかし、3年間派遣社員として働いた結果、急な契約解除をされ、一方で新卒や中途で正社員の採用がされていたとすると、3年間働いた派遣社員としては不満を抱くのが当然です。このようなトラブルも近年増えてきています。

就職に伴う派遣登録解除の方法

まず、初めにお伝えしたいのは、就職が決まったことで派遣の登録自体を解除することは悪いことではありません。電話や口頭で、就職するため登録を解除してほしいと伝えれば通常はそれで登録を解除してもらえます。
気を付けてほしいのが、実際に派遣されて企業で働いている場合です。この場合も、できれば就職が決まった段階で派遣会社に登録解除の旨を伝えましょう。ここまででもお話しましたが、契約期間中の契約解除は社会人としてはNG行為にあたります。出来れば契約満了のタイミングを待って就職することを、それが難しいのであれば早め早めの報告をし、誠意ある対応をしてくださいね。

この調査内容の総括

今回は派遣の契約解除についてご紹介しました。
派遣のお仕事は、派遣会社、派遣先企業、派遣社員それぞれがあって初めて成り立つお仕事です。このうちの一ヶ所が急に「契約を解除したい」というと関わる全てのバランスが崩れ、相手方にかかる迷惑も大きなものです。派遣として働いてみたものの人間関係がうまくいかないからやめたい、思っていた仕事と違った、などの理由で契約の中途解除を希望する方もおられますが、これは契約解除の理由としてはまず認められません。同様に派遣先企業にも原則として派遣社員との契約を一方的に打ち切ることは認められていません。
一時期、突然の契約解除(いわゆる「派遣切り」)によるトラブル、生活困窮者が増え、社会的にも問題になりました。それにより現在では派遣社員の中途解除についての補償が非常に手厚くなっています。派遣であっても安定して働いていける社会になりつつあることを十分わかっていただいたうえで、派遣で働くことを選択肢の一つに入れていただけるとよいかと思います.
「どうせ派遣だから」「いつでも辞められる」などと考えることなく、社会人としてのマナーを守り、お互いに気持ちよく働ける職場づくりを目指してくださいね。

このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。